2024/08/22
オフィスグリーンとは?効果やデザイン作りのポイント、施工事例まで徹底解説
オフィスをより快適で働きやすい環境にする施策の一つに、「オフィスグリーン」が挙げられます。
オフィスグリーンは、オフィスの緑化を意味し、オフィス内に植物やフェイクグリーンを設置することを指しています。
おしゃれで爽やかな印象を与える他、多くのメリットがありますが、デザイン作りにはポイントがあり、注意が必要です。
この記事では、オフィスグリーンのメリットや、オフィスに適した植物、デザイン作りのポイントなどについて、詳しくご紹介します。
目次
オフィスグリーンのメリット、期待できる効果
オフィスグリーンのメリットや、期待できる効果は、主に下記の3つです。
眼精疲労やストレスの緩和
オフィスグリーンにより、眼精疲労の緩和が狙えます。
パソコン作業後に、緑色やまだら模様入りの植物を見ることで、眼精疲労が軽減されたという研究結果があるためです。
デスクワークが多い職場では、社員の眼への負担が大きく、眼精疲労の軽減は課題の一つといえるでしょう。
また、視界に入る緑の割合は、「緑視率」で表すことが可能です。
緑視率が高ければ、安らぎ感やうるおい感など、快適性を高める心理的効果が狙えることもわかっています。
そのため、オフィスグリーンによって適度にリラックスし、モチベーションを高めたり、作業効率を向上させたりという効果も期待できます。
出典:愛媛大学農学部「観葉植物を見ることがVDT作業に伴う視覚疲労に及ぼす影響」
出典:国土交通省「都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査について」
空気の清浄化
オフィス内に植物を配置することで、空気の清浄化が狙えます。
植物は呼吸しており、二酸化炭素を取り込んで酸素を吐き出すためです。
閉め切りがちなオフィスの二酸化炭素濃度を下げて、室内の湿度・温度を一定に保つ働きが期待できます。
また、呼吸の際、空気中のVOC(有害ガス)を、わずかながら吸着してくれる効果も見込めます。
癒しの香気成分といわれるフィトンチッドの放出もあり、オフィス内の空気環境を快適にしてくれる効果が期待できるでしょう。
企業イメージと採用力の向上
オフィスグリーンがあることで、企業イメージや採用力の向上も図れます。
例えば、取引先の方が訪れたとき、植物が配置されたオフィスは「綺麗」や「おしゃれ」など良い印象を与えやすいためです。
また、一般的なオフィスは、特筆すべき点がなく発信しづらい側面があるかもしれません。
しかし、オフィスグリーンを取り入れたオフィスであれば、企業ならではの魅力やメリットとして、ホームページやSNSで発信しやすくなります。
「こんなおしゃれなオフィスで働きたい」、「快適そうだし、社員を大切にしていそう」など、好印象を抱かれやすいため、採用の面でも有利になるでしょう。
選べるオフィスグリーンは2種類
オフィスグリーンとして設置できる植物には、2種類あります。
それぞれの違いを見てみましょう。
本物の植物
本物の植物を使用して、オフィスの緑化を図ることができます。
ただ、生きている植物を使用するため、植物栽培の基礎的な知識が必要です。
水やりや剪定などの手間があり、光合成のための日当たりや、呼吸のための空気の流れといった生育環境も考えてあげなければなりません。
また、病気や害虫などにより枯れるリスクもあります。
しかし、香りや生命力などを感じられるのは、本物の植物ならではの強みです。
育てる楽しみや、空気の清浄化など、本物の植物だからこそのメリットも多くあります。
初期費用や維持費はやや高い傾向がありますが、要所に設置するのであれば本物の植物がおすすめです。
フェイクグリーン
フェイクグリーンは、見た目を本物の植物そっくりに作り上げた人工物です。
近年は、よりリアルな見た目になり、品質も良くなっています。
フェイクグリーンは、管理の手間がなく、ほこりを時々払う程度で美観が保てるのが特徴です。
オフィスに本物の植物を置けない場合も、フェイクグリーンであれば許可されることがあります。
低コストで設置できる傾向があるため、広範囲でオフィスを緑化したい場合は、フェイクグリーンがおすすめです。
オフィスグリーンに使う植物選びのポイント
オフィスに設置する植物を選ぶ際、重視したいポイントが3つあります。
管理の手間がほとんどない
オフィスに設置する以上、管理の手間がほとんどない植物が望ましいといえます。
デリケートな植物だと、美観の維持に労力がかかり、業務の妨げになってしまうためです。
「枯れやすいので〇〇をして…」、「害虫を寄せ付けないために△△を…」など、すべきことが多いと日々のお手入れが大変になってしまいます。
また、デリケートな植物は、土や肥料、虫よけなど、費用もかかってしまいがちです。
高頻度で水や肥料を与えずに済む、葉が落ちにくく長く楽しめるなど、管理が楽な植物を選ぶことが大切です。
丈夫で環境を問わず育ちやすい
オフィスに設置する植物は、丈夫さも大切な要素といえます。
オフィスは屋内設置が基本で、植物によっては、過酷な環境になりやすいためです。
例えば、土日や祝日などの休日には、植物に水やりができません。
設置場所によっては、日光が当たりづらい、エアコンの風で乾燥しやすいなどの問題も生じてしまうでしょう。
また、植物によっては、冬の寒さに耐えられないこともあります。
そのため、耐乾性や耐陰性、耐寒性などを備えた、丈夫な植物を選ぶ必要があるのです。
オフィスと調和しやすい
オフィスと調和しやすい要素を備えているかどうかも、チェックしてみてください。
例えば、大きな鉢に入れた観葉植物は、存在感があって見栄えします。
しかし、大きすぎて圧迫感があれば、リラックスした空間を演出できません。
他にも、「色柄が奇抜で、オフィスの雰囲気と馴染まない」、「床に落ちる花粉や強いニオイが気になる」など、設置する植物次第でさまざまな問題が生じます。
また、見た目がおしゃれでも、眼精疲労やストレス緩和効果が見込みづらい色合いの植物もあります。
オフィスの雰囲気と調和が取れていることはもちろん、「業務の妨げにならないか?」、「目的を果たせるか?」といった視点から植物を探すことが大切です。
オフィスグリーンにおすすめの植物は?
オフィスグリーンとして設置できる植物には、さまざまな種類があります。
ここでは、おすすめの観葉植物をご紹介します。
ポトス
ポトスは、つる性の植物の一種です。
主に熱帯に分布している植物で、黄緑色と緑色のまだら模様の葉が特徴的です。
半日陰でも育つ丈夫さもあるため、初心者にも向いている植物といえるでしょう。
かわいらしい小さな姿で知られますが、支柱を与えれば上へ上へと伸びていき、大きな葉を付けます。
5~10年と長い寿命があるため、長く愛着を持って楽しめます。
パキラ
パキラは主に中南米が原産とされる植物です。
高木らしい太い幹と、鮮やかな色と艶を備えた葉が特徴といえるでしょう。
鉢植えで楽しむのが基本で、ミニ鉢や大鉢など、オフィスに合わせて設置できます。
半日陰でも育つ耐陰性と、乾燥に強い耐乾性を備えており、肥料を与える頻度が低くても育つなど、オフィスに向いています。
数十年もの寿命を持つパキラもあり、非常に長く楽しめる植物です。
ドラセナ
ドラセナは、熱帯アジアや熱帯アフリカが原産の植物です。
さまざまな種類があり、笹のように細長い葉を付けるドラセナもあれば、厚みのある太い葉を付けるドラセナもあります。
上記のように個性的な葉を楽しめることに加え、ハワイでは幸福の木と呼ばれているため、高い人気があります。
寒さにはやや弱いものの、半日陰で育つ、乾燥にも強いなど、オフィスに向いた特徴を持っているのがポイントです。
何十年もの長い寿命を持つため、愛着を持って育てたい方に向いています。
モンステラ
モンステラは、主に熱帯アメリカが原産の、つる性の植物です。
葉が特徴的で、青々とした大きな葉は、成長に伴って深い切れ込みや、穴が開いた形状へと変化します。
その独特な葉の形状と、風水で金運を高めると信じられていることから、人気を集めています。
寒さには弱いものの、半日陰で育ち、暑さや乾燥に強い丈夫さがあるため、オフィスでも育てやすい植物です。
寿命は何十年もの長さがあるため、長く愛着を持って育てられます。
ユッカ
ユッカは、主にアメリカ大陸の中北部が原産の植物です。
低木で、剣や針を思わせる長く硬い葉が、放射状に広がるように生えるのが特徴といえます。
葉は緑が濃く美しいですが、のこぎりのような棘を持つ種類があるため、取り扱いには注意が必要です。
半日陰で育ち、寒さや暑さ、乾燥にも強いため、さまざまなオフィスで育てやすいでしょう。
成長は早くないものの、2~4年のサイクルで植え替える必要があります。
アルテシマ
アルテシマ(フィカス・アルテシマ)は、東南アジアが主な原産地で、ゴムの木の仲間です。
葉は大きく、まだら模様が入るため、存在感があるのが特徴的です。
幹と葉の色合いのバランスが良く、鉢植えとして設置すれば、オフィスがおしゃれな印象に変わります。
半日陰でも育てられるためオフィスに置きやすいですが、寒さに弱いため、年中暖かい環境に置けるオフィスがおすすめです。
オフィスグリーンの主なデザイン
ここで、オフィスグリーンの具体的なデザインをいくつか見ていきましょう。
一部だけ飾るワンポイント
スペースがない場合は、ワンポイントとして、オフィスの一部にオフィスグリーンを取り入れることができます。
植物には小型も大型もあるため、スペースに合わせて設置するのは容易です。
卓上や棚、休憩スペースに小さな植物を飾ったり、オフィスの隅やエントランスなどに大きめの鉢植えを置いたりするのは、費用や労力をかけずおこなえます。
ワンポイントでもおしゃれさを効果的に演出したい場合は、専門の業者に頼って、オフィスの壁や柱など、目立つ場所を装飾してもらうといった工夫もできます。
吊るして楽しむハンギング
植物を、オフィスの天井やカーテンレールに吊るしたり、壁などにかけたりして楽しむこともできます。
ハンギングは、空間を有効活用できるのが特徴です。
天井からペンダントライトのように吊るしたり、カーテンレールや壁にフックを取り付けて吊るしたりすれば、カフェのようなおしゃれな雰囲気に仕上げることができます。
植物が上に配置されることで、移動の妨げにもならず、植物に風も当たりやすくなります。
窓際に吊るせば、日光を当てやすいこともメリットといえるでしょう。
ただ、重たい植物は吊るせないため、植物のサイズ選びには注意が必要です。
仕切りに使うグリーンパーテーション
スペースを上手く活用して、おしゃれさとオフィスの緑化を両立できるのが、グリーンパーテーションです。
グリーンパーテーションは、間仕切りや、間仕切りを兼ねた飾り棚などにグリーンが取り入れられたものを指します。
オフィスでは、目隠しとしてパーテーションが必要なことが珍しくありません。
必須のオフィス什器をグリーンパーテーションに入れ替えるだけなので、大掛かりな工事は不要で、取り入れる負担が少ないのがメリットです。
壁を使った壁面緑化
インパクトが大きく、おしゃれさを演出できるのが壁面緑化です。
壁面緑化とは、壁の全部や一部を、本物の植物やフェイクグリーンで飾るものを指します。
人目に付きやすい壁を全体的に壁面緑化すれば、インパクトがあっておしゃれに見えるだけでなく、緑やまだら模様が自然と目に入ります。
緑視率がアップし、眼精疲労やストレスの緩和、リラックス効果なども見込みやすいでしょう。
また、壁に設置した企業ロゴの、周囲だけを植物で装飾することも可能です。
一部だけであっても、企業ロゴが印象深く、記憶に残りやすくなるといったメリットがあります。
足元から癒しが感じられる人工芝
オフィスに遊び心を取り入れたい方には、人工芝を設置する方法もおすすめです。
人工芝には、正方形のパネルをはめ込むジョイントタイプや、カーペットのように一枚の布状になったロールタイプなどがあります。
そのため、オフィスのスペースに合わせて設置できます。
オフィスの休憩スペースに設置すれば、足元から自然や癒しを感じられる空間づくりが可能です。
また、ミーティングルームに設置すれば、ミーティング時にストレスを感じにくい、足裏の心地良い刺激が脳の活性化につながるなどの効果が期待できます。
オフィス全体をレイアウト
上記の方法を取り入れて、オフィス全体を植物で飾るという選択肢もあります。
鉢植えを設置するだけでなく、壁面緑化を施したり、プランターが組み込まれたオフィス什器を積極的に取り入れたりと、さまざまな方法でオフィスの緑化が可能です。
ただし、見栄えはもちろん、動線やオフィスの使い勝手、植物の管理方法など、多くのことを考える必要があります。
業者でなければ作業できない部分も多いため、全体的にオフィスグリーンを取り入れるのであれば、専門の業者に依頼するのがおすすめです。
TOMITA株式会社が手掛けたオフィスグリーンの施工事例
ここでは、TOMITA株式会社が実際に手掛けた、オフィスグリーンの施工事例を4つご紹介します。
大和リース株式会社 名古屋営業所 VERDENIA
大和リース株式会社様では、「VERDENIA(ヴェルデニア)」を施工致しました。
VERDENIAは、大和リース株式会社様との共同プロジェクトで、オフィスの本格的な緑化を目指したサービスのことです。
森林の中にオフィスがあるようなイメージで作り上げており、本物の植物との一体感を演出するため、カーペットや椅子にも馴染み良いグリーン色を選んでいます。
給湯(ベンダー)スペースも敢えて中心へ配置し、開放的かつリラックスできる空間としました。
大和リース株式会社 名古屋営業所の施工事例はこちらをご覧ください。
YKK株式会社
YKK株式会社様は、本物の植物を使ったオフィスグリーンを設置させて頂きました。
立体アートのように大きく壁面緑化を施したことで、壁に森林が出現したかのようなダイナミックな印象を作り出しています。
休憩スペースは床の一部を張り替え、細い幹の植物を設置したことで、公園にいるようなリラックス感を演出しています。
空間の広さを活かしながらも、圧迫感がないようにバランスに気を配りました。
YKK株式会社様の施工事例はこちらをご覧ください。
日本道路株式会社 本社10F VERDENIA
日本道路株式会社様には、TOMITA株式会社オリジナルの「JOIN」を活かして、休憩スペースにオフィスグリーンを設置致しました。
TOMITA株式会社はオーダー家具も手掛けており、今回は、プランターボックス式の家具を製作しています。
広くないオフィスでも簡単に位置が変えられ、かつ一般的な間仕切りのような閉塞感もなく設置しやすいため、パーテーションの代わりに最適です。
デザイン設計から施工までを担当させて頂いたため、限られた中での緑化を叶えながら、統一感のある落ち着いた雰囲気の休憩スペースにできています。
日本道路株式会社様の施工事例はこちらをご覧ください。
トヨタホーム愛知AnjoGarden安城展示場改装工事
トヨタホーム愛知様は、改装工事に関わらせて頂きました。
家族の居場所となる住まいを取り扱われる会社のため、特に温かみをどう演出するかが課題でした。
エントランスを含め、空間が全体的に無機質だったため、緑化を進めた外とのつながりを意識した緑化計画としました。
内側からふと窓の外を見たとき、自然と緑が目に入るようにすることで、外と内に緑のつながりをつくっています。
さらに、1階と2階のつながりを持たせるため、吹き抜けにシンボルツリーを配置しています。
それにより、内外の緑化がいっそうまとまり、全体的に統一感のある温かみの感じられる空間となりました。
トヨタホーム愛知様の施工事例はこちらをご覧ください。
オフィスグリーンのデザイン作りのポイント
オフィスグリーンのデザイン作りは、下記の3つのポイントを押さえましょう。
計画を練って設置する
オフィスグリーンのデザインは、綿密に計画を練って決めていく必要があります。
オフィスグリーンは、「オフィスをおしゃれにして企業イメージをアップさせたい」、「緑視率を上げてリラックス効果を得たい」など、明確な目標を持って取り入れるためです。
また、「植物が大きくて移動の妨げになっている」「植物がオフィスと調和しておらず、おしゃれに見えない」というような事態も避ける必要があります。
特に本物の植物を使うのであれば、生育環境も確保しなければなりません。
日当たりを考えるだけでなく、シーリングファンやサーキュレーターを使い、風の流れも調整する必要があります。
手を入れる範囲が広く大掛かりになるほど、専門の業者の意見を取り入れ、失敗しないように心がけましょう。
全体的なコストを把握する
コストの全体像をつかんでおくことも大切です。
予算内での設置が難しい場合は、フェイスグリーンを全体に配置して、一部に本物の植物を使うといった工夫が必要になるでしょう。
また、設置したオフィスグリーンが本物の植物である場合は、維持費もかかります。
室温を維持したり、植物が枯れてしまったら買い直したり、剪定用のハサミや水やりのジョウロ、定期的に土や肥料などを買ったりということも必要です。
コストの全体像を把握したうえで、無理なく設置できるか検討し、迷う場合は専門の業者に相談すると良いでしょう。
管理会社と連携する
管理会社への連絡や相談、確認など、連携する意識も大切です。
虫やニオイの対策として、本物の植物の設置を禁止しているビルもあるためです。
そのようなビルでも、フェイクグリーンなら良いかというと、そうでもありません。
ビルによっては、防炎の見地から、防炎対策が施されたフェイクグリーンが望ましいことがあります。
また、フェイクグリーンを設置する範囲によっては大掛かりな内装工事になるため、管理会社の許可が必要なケースもあります。
自己判断でオフィスの緑化を進めると、ビルの管理会社や管理人とトラブルになりかねないため、慎重に進めることが大切です。
オフィスグリーンのデザインでお悩みの方は、TOMITA株式会社へ
この記事では、オフィスグリーンのメリットや、デザインのポイント、施工事例など、詳しくご紹介しました。
オフィスグリーンは、数多くのメリットがあり、仕事のパフォーマンスにも影響を与えてくれます。
ただ、見栄えよく緑を配置するのは難しく、本物の植物を使うのであれば生育環境も整えなければならないなど、ハードルが高いことも事実です。
TOMITA株式会社は、オフィスグリーンを手掛けた数多くの実績があり、「JOIN」のようなオーダー家具も承っています。
オフィスの内装のリフォームやリノベーションなどもおこなっておりますので、オフィスグリーンを取り入れたい方は、ぜひTOMITA株式会社にご相談ください。